• 小野 晶史

2021年12月号社説:いよいよシラスウナギ漁スタートもハシリは低調に/現地揺さぶり強めるも漁模様分析で暴騰回避へ─ 2022年シーズンシラスウナギ漁 ─

いよいよ国内外でシラスウナギ漁がスタートした。今シーズンは漁期のピークがズレ込む公算が強かったが予想通りというかハシリの漁模様は低調だ。台湾でも、日本からの需要の高いハシリの漁が低調であるため、いきなりではあるが採捕者は採捕されたシラスウナギを浜のレベルで在庫しながら相場の上昇を睨み始めた。


これから日本の養鰻業者を軸にして相場面での揺さぶりをかけられることになるが、案の定、12月に池入れする数量が決まっている生産者は池入れ数量の確保で躍起となっている。これから強まる一方の現地の煽りを受けていくことになる。


こういう事態は今まで何度もあったことだが、構造的に無くなりそうにもない。ただ、徐々に現地の生産者の手の内も分かり始めており、今までのような何もわからない状態での揺さぶりで相場が青天井となることは避けられそうだ。


特に、海流の状況が判明しつつあることが大きいだろう。依然であれば「このまま大不漁のシーズンになる」と煽られて相場は毎日キロ何万円も上昇するが、海流の状態からも後半戦に期待できる可能性も高いことで相場の上昇にも抑制機能が働いていく。


海流だけでなく、これからは降水量の実績も影響するため、降水量を維持できていれば採捕量も期待できる。大不漁となるには北赤道海流の消滅期間が長く、しかも年末以降の降水量が「渇水レベル」となる必要がある。いずれかが該当すれば不漁となる可能性も高いが、中国・台湾・日本・韓国のいずれも同様の事態が発生する可能性は少ないと思われる。


いくら海外の採捕者が「不漁かもしれない」と煽っても全体的な状況から冷静に判断できる材料が増えてきていることを考慮すると、これまでのように日本の養殖業者が煽られっぱなしということにはならないだろう。今シーズンの漁模様を早めに察知して対応策を事前に用意しておけばいいだけのことと言えるだろう。


まずは台湾の採捕者がいつ在庫を続けるスタンスを解除するかによるのではないだろうか。台湾での在庫キャパ200㎏は採れ始めたらあっという間に充足するラインと見ることができる。台湾全土での1㎏にも満たない採捕水準が10㎏、そして30㎏を超えるタイミングを探り当てる必要があるが、これに中国福建省・広東省での採捕量も加えていく必要がある。台湾側も放出のタイミングを間違えると全て中国に持っていかれる可能性もあるため、のんびりともしていられない。これから的確な採捕量のチェックが必要となりそうだ。

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