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2026年4月号社説「養殖業の要である配合飼料原料の魚粉の安定確保が必要/魚粉に代わる代替タンパクの開発改めて急がれる時代に」─ 不安定な世界情勢下で養殖業界に求められることとは ─

  • 執筆者の写真: 小野 晶史
    小野 晶史
  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

世界情勢は変わらず不安定な状態が続く。養殖業に使用する魚粉・魚油は輸入に大半を依存するため、ミール・油脂の国際相場は国際紛争などの影響を強く受けてしまう。原油やミールの国際相場が上昇すると、魚粉・魚油相場も同様に上昇することになる。

日本の養殖業の安定を実現するためには魚粉の安定供給体制を整えていく必要がある。仮に現在展開されているウクライナやイランでの紛争が終了したとしても、すぐに新たな紛争が発生する可能性は高い。あらゆる事態を想定しながら、業界としては食料安全保障という視点も踏まえつつ、配合飼料原料の安定確保のための取り組みを強化していく必要があるだろう。

既に日本では魚粉の輸入元となる国をこれまで以上により広域に広げるなど取り組みを進めてきている。東南アジア諸国やインドなどの新興産地の開拓も進んでおり、南米に依存する体質からは日本も既に脱却しつつある。南米への依存度を僅かでも軽減するだけでなく、南米以外からのより高い品質の魚粉の確保が求められるだろう。

加えて、魚粉に代わる代替タンパク原料の開発も必要だ。これまで養殖業界では植物タンパクとして大豆粕やコングルミール、さらには石油タンパクや肉骨粉、フェザーミール、インセクトミールなど様々な代替タンパク原料を模索してきたが、どれも決定打とはなっていない。

温室育ちの日本の消費者は飼料原料として何が適切なのか、まともな議論を行なっていない。どんなに優れた原料であってもイメージに左右されてしまい、導入はスローペースだ。「感情」だけで実用化が否定される原料も多い。日本での新たな代替タンパク原料開発は困難を極めるが、このまま手をこまねいていれば、仮に国際情勢の悪化や自然災害などの影響で魚粉の確保が難しくなる場面が生じた際に、日本の養殖業は一気に逼迫してしまう。

これまでの代替タンパク開発の歴史はまさに「小田原評定」のようだ。ただ話し合ってばかりで決定打を見出せない状態は見るに耐えない。何れにしても魚粉に代わる代替魚粉の開発は喫緊の課題であると考え、取るべき対応をしっかりと取ってほしい。「石橋を叩いて渡る」のならいいが、叩いてばかりで渡らなければそのうち石橋は叩き過ぎて崩れてしまう。

これまで日本でも多くの代替タンパクの開発を進め、一部導入も進展したが、食料安全保障の立場からの考え方をしっかりと踏まえながら、さらに進めていくべきだろう。長期的な視点で魚粉に代わる代替タンパクの開発が急がれる現状をもっと理解しなければならない。

 
 
 

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