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2025年11月号社説:アングィラ種の規制への経緯をもう一度思い出すべき絶滅しない魚を絶滅危惧種とし貿易規制までかける暴挙─ロストラータ種の附属書Ⅲ掲載で正しい理解を ─

  • 執筆者の写真: 小野 晶史
    小野 晶史
  • 2025年11月23日
  • 読了時間: 3分

ワシントン条約の締約国会議の話が続くが、ウナギでは日本は大西洋クロマグロやサメ類などの事例を中心に検討を続けるが、完全に抜け落ちているのがアングィラ種の附属書掲載の事例の検証だろう。

アングィラ種はいつ附属書に掲載され、いつレッドリストの絶滅危惧種に掲載されたのか、国際貿易規制はいつなのか、欧州政府が輸出証明書の発給を止めた理由と時期は…、こうしたことについて詳細に調査をした形跡はない。

上記の項目すら、しっかり調査せず、クロマグロやサメの調査をいくら懸命にしても今回の事例の詳細はなかなか見えてこない。

大きな誤解は今も「アングィラ種を日本が輸入することが可能」ということだろう。なぜ、輸入が可能かについて、熟知しなければならない。

実際に現実は簡単ではない。アングィラ種の規制がどれだけ複雑かつ曖昧で、個人の感情の入り混じった思惑による規制であるか理解する必要がある。

問題としたいのは今回の締約国会議の提案評決に先駆けて行われたドミニカ共和国によるロストラータ種を附属書Ⅲに掲載するというある意味暴挙とも言えるような提案だ。これはすでに決定したが、そのそもこの附属書Ⅲの登録は提案国と事務局だけで勝手に決めることができ、締約国による承認は必要とされない。

ロストラータ種の資源保有国は北米・中南米と広域に広がる。資源量の算定もされてはいないが、これだけ広域に広がる資源が実際に減少している正しいデータは存在しない。意図的な誤ったデータで絶滅危惧種に指定され、ロストラータ種に意味のない貿易規制が課されている。

絶滅しない魚に、効果も根拠も希薄な規制を課してしまうような行為が罷り通ってしまっている。なぜこんなことが行われてしまっているのか。今回のアメリカウナギの附属書Ⅲへの掲載に対して、日本の関係者には「ロストラータ種は関係ないから」と興味を示さない意見だけでなく、「これでジャポニカ種が有利になる」という声も聞かれる。「まさにチャンス」と言わんばかりの見解は耳を疑う。

それもこれもアングィラ種の規制に至る経緯と現状を理解できていないからだろう。今回の附属書Ⅲへの掲載ということが何を意味するのか、ジャポニカ種には本当に何の影響もないのか、業界関係者は過去の歴史を紐解き、もう一度よく考え直さなければならない。今回の問題はドミニカ共和国ではなく、ヨーロッパが原因であり、欧州政府及びサイテス事務局、学術研究者・活動家が何をしようとしているのかということを理解しなければならない。投げ込んできた爆弾の意味をもっと知ってほしい。

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