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2025年9月号社説:資源の再評価をしないままに進む国際的な規制策/附属書掲載推奨派の活動活発で「クジラ」の悪夢再来か─ ワシントン条約締約国会議に向けた様々な動きについて ─

  • 執筆者の写真: 小野 晶史
    小野 晶史
  • 2025年11月23日
  • 読了時間: 3分

ワシントン条約の締約国会議に向け、時間は無くなってきている。業界では残した時間も少ないために懸命に取り組みを続けているが、国際条約に関する活動となるため、「業界がまとまった」活動ではスピードも遅く、意見の集約で活動の幅は広がりにくい。締約国会議までにどこまで協議を進めていけるか、非常に難しい状況が続く。

一方で、附属書掲載を望む人々は欧州政府からの提案が提出されてから一気に活動を広げ、各所でいかにウナギの流通が不透明で資源を損なうような事態を招いているかを滔々と述べる。そのメンバーは業界関係者からすると「いつもの面々」ではあるが、前回の失敗を糧にさまざまなアプローチをかけるなど、提案承認に向けてどれだけ本気かを感じさせる。

「教授」という肩書きの学術関係者はその学生たちを総動員するだけでなく、マスメディアへの持論の発信も水面下で積極的に進める。その意見を鵜呑みにしたマスメディアの記者からの発信も増えるが、今後、多方面からゲリラ的に「ウナギを附属書に掲載する」ことがどれだけ正義であるのかの発信が行われる。

「嘘でも百回言えば真実になる」ことを目の当たりにしそうだが、決してそんなことがあってはならない。そして業界関係者は、嘘の発信を続ける活動家たちから言われっぱなしであってはならない。日本人は「黙っていてもいつかは皆も分かってくれる筈」と考えがちだが、そんなことはないことはこれまでの歴史でも十分わかるはずだ。

捕鯨に関する問題と同様の事態となりそうな気配も感じさせる。一番の問題は資源の再評価が進まなかったことだろう。クジラの資源問題で、IWCは一切資源再評価の議論を認めず、「捕鯨禁止」の一点張りだった。資源量に関する議論がないままに規制ばかりが先行したことは今のウナギにも当てはまる。

そもそもヨーロッパウナギの資源の再評価はどうなのか。ヨーロッパで規制がスタートした当初、フランスで15 ㌧しか認められなかったシラスウナギの漁獲枠は近年50 〜70 ㌧で安定している。資源量の再評価はその生物の生活史が一巡したところからスタートする筈だが、規制が始まって20 年近くなるにも関わらず、いまだ行われない。ウナギの生活史は7年から10 年であるにも関わらず、見直しもせず、「絶滅寸前」のカテゴリーに入れたままだ。

正しい資源の状況を把握した上で、適切な資源保全を行うべき。絶滅するリスクが低いのであれば、附属書に乗せなくても十分資源の保全は可能だ。一番大事な議論を無視したまま、規制を先行させようとする欧州政府、そしてその周りに屯する活動家の欺瞞は白日の下に晒していく必要があるだろう。

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