2026年1月号社説「次回締約国会議に向け最新の資源データをまとめるべき」─ ワシントン条約第20回締約国会議終了にあたり思うこと ─
- 小野 晶史
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- 4月12日
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春からウナギ業界を一気に混乱の渦に陥れた欧州委員会、そして欧州政府によるワシントン条約の附属書Ⅱへのウナギ属魚類掲載の提案は第20回締約国会議で否決された。もう一つの懸案であったドミニカ共和国によるロストラータ種の附属書Ⅲへの掲載も昨年末にドミニカ共和国が提案を取り下げ、附属書Ⅲから削除されたことで、一昨年の年末から業界を騒がせていたワシントン条約附属書掲載の騒動はやっと終息した。
今回の否決成功は第20回締約国会議に向けて、水産庁をはじめとして日本政府も総力を上げてウナギ属魚類の附属書Ⅱへの掲載提案否決に向けて動いてきたことが何よりも大きい。
日本のブースを本会議場から近い場所を確保できており、多くの国々に欧州政府の提案がいかに誤ったものか、そして東アジアで取り組んできている資源保全に対する取り組みについても説明することができた。ウナギの貿易規制に動いていた多くのメディア・研究者には「国があれだけ動くとは思わなかった」「権力に負けた」などの不満も聞かれたが、杜撰なデータに基づく提案内容が国際社会に受け入れられなかったことを歓迎したい。
ただ、これからは日本だけでなく中国でもこれまでの資源保全策を更にスピード感をもって進めていってほしい。
急がれるのは最新の資源データ作成だ。これまで東京海洋大学の田中栄次名誉教授、長野大学の箱山洋教授の論文・レポートでニホンウナギの資源についての報告が提出されている。今後はさらに深化させ、充実した資源データを作り上げなければならない。
現在、「絶滅危惧種論者」が根拠とする資源データは論拠も脆弱な古いデータに基づいてまとめたもの。数理解析による資源データでは十分な資源量が保全されていることが明らかになっているが、今後は充実した漁獲量のデータも駆使しつつ、あらゆる側面からの最新の資源データをまとめていく必要がある。
これまで東アジアは無論、ヨーロッパ、北中南米アメリカでもしっかりしたウナギの資源データは作成されていない。数理解析、漁獲量分析の双方から丁寧な最新の資源データを作成する必要がある。
次の第21回締約国会議で欧州委員会は全く同じ提案での提出を明言しているようだが、また時間もあり、日本としても様々な対応が可能だ。日本を含めて様々な研究者・メディアが「絶滅危惧種論」を掲げ、欧州委員会を嗾けながら次回の締約国会議に向けて同様の提案を再度出させることは想像に難くない。次回の締約国会議に向けて「欧州委員会は必ず提案する」と考え、次回に向けて「絶滅危惧種論者」の論を封じ、ウナギの資源についてまとめていくべきだろう。
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