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2026年3月号社説「今、求められるのは最新のニホンウナギ資源量調査の実施/数理解析による資源評価で絶滅するか否かの正しい認識を」─ 3年後のワシントン条約締約国会議に向けて今すべきこと ─

  • 執筆者の写真: 小野 晶史
    小野 晶史
  • 4月12日
  • 読了時間: 2分

今年、ウナギ業界で取り組んでいかなければならないことで筆頭格となるのは最新の資源量調査の実施だろう。3年後のワシントン条約の締約国会議に向け、業界としてはまずニホンウナギに対する「絶滅危惧種」という烙印を外す努力をしなければならない。

ただ、資源量調査の実施に向けてなぜだか足並みは揃わない。研究者の協力が得られないことも大きいが、「絶滅危惧種」ではないということを認めたくない動きも存在する。

2013年シーズンのシラスの不漁で4年連続の不漁となった際に「資源が減っている可能性」に浮き足だった研究者は「予防原則」を掲げ、規制実施を要望したが、その一つが国際自然保護連合の「絶滅危惧種」登録だった。

当時、確かな資源調査もない状態で行われた規制は、結果的には拙速だった。「まずは規制を」という当時の研究者の意見には賛同したが、それは「その後の資源量調査実施」を前提としたものだった。

しかし、その後、資源量の調査は行われなかった。ただ、水産庁が2015年に東京海洋大学の田中栄次教授に数理解析での調査を依頼したが、その結果は「東アジアに一歳以上の天然ウナギが2万㌧いる」という内容で、資源量が潤沢であることを表すものだった。

その後、長野大学の箱山洋教授が国立研究開発法人水産研究・教育機構の主任研究員時代の2016年に発表した論文でも同様に「ニホンウナギの絶滅するリスクは低い」という結論が出ている。上記2つの論文は数理解析によって導き出された資源量だが、今後は3年後のワシントン条約締約国会議に向けて新たに論文の作成が求められる。

これからの資源量解析では数理解析による手法が重要視されるべき。漁獲データはシラスウナギの採捕実績について、本紙のみが11年分の詳細なデータ(日別・国別・主産地別)を持つが、それ以外にデータは存在しない。漁獲データによる資源量解析は3年後の締約国会議には間に合わないため、数理解析による調査が重要だと考えられる。

また、資源量の解析について、DNAによる調査も可能ではないかと考えられる。遺伝子による親戚関係などの調査で、母体数がどれだけの規模かを推測することが可能なようで、現在、他魚種で調査が進んでいる。

スーパーコンピューターを駆使して資源量を算出する手法となっているが、こうした新しい手法についてもニホンウナギの資源量解析でどんどん使用してもらいたい。日本のスーパーコンピューターはスピードが遅いようだが、できる限り精度の高い資源量調査が必要となるだろう。

 
 
 

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