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2026年2月号社説「活鰻相場は池入れしたシラスウナギの価格で決定する/相場安定にはシラス相場を上げさせない取り組み必要」─ 池入れ数量が同水準でも相場が暴落した昨秋を振り返る ─

  • 執筆者の写真: 小野 晶史
    小野 晶史
  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

昨年末からの活鰻相場の動きを見ていて気になることがある。その一つは日本の池入れ量が変わらないにも関わらずシラスウナギの相場が下がったことで池揚げ相場も下がったことだ。

一般に相場は需給バランスで決まる。本来、供給量と需要量がずれなければ相場は大きく動かない。しかし、昨秋には池入れ数量が変わらないにも関わらず、活鰻相場は下落した。

昨秋の相場下落の要因はただ一つ、シラスの池入れ相場が大幅に下がったことにある。東アジアでのシラス大豊漁で国際相場が下落、国内のシラス池入れ価格も大幅に下落した。

しかし、昨シーズンの日本のシラス池入れ量は枠を大幅に下回り、供給数量が増えるような要素はどこにもなかった。にも関わらず、相場がコストギリギリのところまで下落した。この意味は大きい。

これが示すことは、シラスの相場が上がらなければ不漁であっても相場は変わらないということだろう。

シラスウナギの相場は過去10数年、常に高い水準についていたが、異常とも言えるほどの高値相場である理由は全く存在しない。ただ、これによりウナギ料理店は活鰻相場が暴騰、現実的に実需を無視したような高いメニュー価格をつけざるを得ないところまで追い込まれた。

料理店のメニュー価格は暴騰劇が始まって以降、常に高値に設定されてきたが、産地サイドではこうした状況に対し別の声が飛び出す。その最たるものが「活鰻相場が下がったら料理店もメニュー価格を下げるべき」という声だろう。

これは現実的な話ではない。料理店サイドでも本来であればお客のことを考え、値下げしたいところだろうが、現実的に「活鰻相場が今だけ下がってもまたすぐ高値に戻る」という気持ちと強く持っており、メニュー価格を適正な水準に戻せないままでいる。

活鰻相場が下がったからといってメニュー価格をすぐに下げることができるわけではないことをもっと業界でも理解しなければならない。活鰻相場をある程度落ち着かせなければ料理店はメニュー価格を下げることはできないだろう。

ただ、そうした考え方を無視して、海外を中心としたシラスのブローカーは「こんなに高く売っているのだから高いシラスを買ってもやっていける」という間違えた認識を持ってしまう。結果的にシラスの相場は常に高値をつける方向に誘導されてしまい、堂々巡りとなっている。

活鰻相場は生産量ではなくシラスの相場で決まってしまう。活鰻相場安定のためにはシラスの相場を上げさせない取り組みが必要であることを改めて認識しなければならないだろう。

 
 
 

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